め以子さんには気の毒ですが、がんばっておくんなはれと言うしかありません。
そして、とうとうボロがでてきてしまいましたね。め以子のことが?いいえ。
ちりとてちんと並走していると、ごちそうさんのドラマの雑さが際立っています。
喜代美はおじいちゃんの命日にあわせて帰省します。それに絡めるエピソードが非常に綺麗であり自然になっています。おじいちゃんに会いたいという気持ちと、スピード失恋の痛手でその場にいられない、この2つの主人公の気持ちがドラマ的でありながら自然な形で主人公を小浜に移動させています。
ごちそうさんは、ちょっとそこんところが雑です。
醤油の色が違う、味噌の味が違う、出汁のとり方が違う、これらの知識はいずれも東京と大阪の食文化の違いとして繰り返し使われる「記号」です。100年たった今でもまだ言う人がいます。ですが、月曜と火曜のわずか2日にこれらの記号をザルからひっくり返したみたいに流し込んでおいて、これ、ちゃんと回収できるんですか?
大阪は東京とは味が違います、っていうことが言いたかっただけと違いますやろね。
やるんなら、なぜ醤油の色は薄いのか、それをあとから回収しつつ異文化理解と家庭内の問題に向き合うというエピソードをきちんと語ってもらいたいです。そうでないとただ文化の違いを描くためだけの「捨て記号」になってしまいますから。
ちりとてちんには、こういう「捨て記号」的なものはほとんどありません。タイのアラですら料理に使い尽くす、そういう脚本作りがなされています。
どうしてこんな苦言を言うかといいますと、以前「米は音で研ぐ」ということを母親からめ以子に教える下りがありました。そして、悠太郎さんが寝込んでいる時にめ以子が米を研ぐ音を悠太郎さんが聞いていました。
ここが回収ポイントです。ここでその教えをを再び登場させて使うと効くんです。
なのに何故、ドラマを打ち込まないのでしょうか?どう考えても「米は音で研ぐ」に関しての物語をフルスイングでかっとばすところではないですか?脚本家は何をやってるんですか?それとも演出家が脚本の意図をきちんと読み込めていないんですか?
め以子と姉さんよろしく、意思疎通ができていないんと違いますか?お互いのこと嫌いなんですか?
め以子の西門家での振る舞いもそうなのですが、ごちそうさんのドラマ自体も、大阪での新展開がガサツです。丁寧にビルドアップしていってほしいと思います。警鐘の意味を込めて書かせて頂きました。
内容はというと、「こんなこと、今の時代にはありえへんわ」と思う方もいらっしゃるかと思いますが、そんなことはありません。今なら、
嫁ツイート「ちょw、うちの小姑がお膳ひっくり返してんけどwwwありえへんwww(写真付き)
小姑(スマホをみせながら)「これはなんだす?」
嫁「う・・・・」
小姑「お友達にリツイートさせてもらいます」
嫁「あっ・・・」 → 炎上
NHKキャスター「・・・ということが大阪でおこったのですが」
解説者「これはネットの弊害ですね。これからは家庭内で起こったこともネットには流さないようにして身を守ることが必要です」
という事案が起こっても不思議ではありません。
私も心苦しいですが、今日はちょっと小言を言わせてもらいました。
ちょっとまわりくどかったかもしれません。
いつも言いたいことズバッと言えるのは順ちゃんぐらいです。