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2013-10-31

ごちりとうさん (14)

朝ドラは朝以外にも見ることができます。昼12:45の回、夜11:00の回、さらに本放送といわれる8:00の回よりはやい7:30の回があります。

筆者は生活パターン上、7:30の回を見ますが、基本的に8:15分までは情報を出さないようにしてきました。

しかし、今日は11:00の最終放送前になってまだ何を書こうかと悩んでいる筆者ですこんばんわ。

今は再放送として朝にちりとてちん、夜にはちゅらさん、1日がこれだけ豪華な作品で埋め尽くされています。藤島部屋全盛期の大相撲のようですね。

これだけ朝ドラ祭りが繰り広げられていればいくらでも書くことあるだろうと思いますが、なぜ筆が進みません、そんな日もあるようです。

それもこれも、せっかくの海水浴シーンだったのに、ことのほか宮嶋舞衣ちゃんの水着がダサくて色気に欠けててションボリしたせいだとおもいます。

2013-10-29

ごちりとうさん (13)

夢オチではなく夢で次回に続くというのは新鮮な気がしますおはようございます。

一回プロポーズを断ったが、理由をはっきり伝えないまま、わざわざ周りの人達がその全容を解明して行きます。リアリティには欠けますが、朝ドラは視聴者が見るものですし、こういう演出は朝ドラらしい回り道ですので、各駅停車でのんびり見ましょう。

クロッシングポイントに入り浸っていて無用の長物のようだった文士にも、この局面で事態を引っ掻き回す役割が回ってきました。停滞する局面ではこういう人物の重要度が上がります。

この文士はのちにめ以子の一代記でも書いて文学賞でももらうんでしょうか。そう思わせてずっと食客という可能性もあります。

ちりとてちんでは、小草若についてのキーポイントが出てきてます。

・草々とは入門が1日違いである
・近所にすむ菊江は今の小草若の振る舞いに対して複雑な表情を見せる
・自分だけは天狗芸能に残った

いずれも、何故か、を頭の片隅に入れておくといずれ泣けます。

オープニングテロップに宮嶋舞衣が出てこない時点で心で泣いていた筆者でした。


2013-10-28

ごちりとうさん (12)

ごちそうさんんお今日のエピソードについては逆に私が皆さんに問いかけたいところではありますが、
女子会ってこういう感じなんですか?
筆者は男性ですので、「男は追いかけたら逃げる、追わせなければだめ」というセリフには背筋が冷やっとしましたが、それでもなお、頷けるところはあります。

さて、伝統芸能ファンの皆様、お待たせいたしました。
モッピーの登場です。そーこーぬーけーに、面白くなって来ましたがな。

解説不要かもしれませんが、喜代美が「誰かに似とる」と思い出した和田友春(エーコのお兄さん)も小草若と同様に、初対面でカバンでどつかれています。こういう共通項は、あとで物語の因数分解に使いますので、ちゃんと覚えておきましょう。

いまのところこうです。

喜代美にカバンでどつかれる × ( 友春 + 小草若 )= みんなアホ

ちなみに順ちゃんは素数です。


2013-10-26

ごちりとうさん (11)

空間的プロポーズをなしとげた「ごちそうさん」ですが、「川に潜る水中シーンは”あまちゃん”へのアンサーではないか」という声もあるようですが、それは考えすぎだと思います。

どちらかというとここは、「ヒロインは水に落ちる」という伝統のほうに目がいくところです。この伝統をある意味決定づけたのは「てっぱん」のせいではないかと思っています。てっぱんの番組宣伝でしつように瀧本美織を岸壁からジャンプさせまくった映像を執拗に流したことで、かなりサブリミナル的な印象付けが行われたのではないかと勝手に推測しているのですが。

まさしく「水落ち」を鉄板演出へと押し上げたわけですが、土曜日恒例の朝ドラ関連商品のお薦めのコーナーです。今週はアニメにいっときましょう。


花咲くいろは(劇場版)(TVシリーズ

「朝ドラアニメ」という呼び声もあったようですが、たしかにそういう感じはしますが、中身はやっぱりアニメの型通りだったりもするので、設定が朝ドラっぽい、と言ったほうがしっくりくるかもしれませんね。

主人公が母親の実家の温泉旅館に預けられて、仲居として働きながら学校に通いつつ青春劇をくりひろげます。確かに朝ドラにありそうなお話です。ただなんとなく朝ドラには「おしん」のイメージが未だに世間には根強いのかなというのと、同じような時期に「どんど晴れ」が放送されていたことも関係しているかもしれないな、ということを思います。

アニメにはアニメの型があると申しましたが、アニメには「水着回」というのがあるらしいですが、それが今回朝ドラに逆輸入されるみたいです。ごちそうさんの予告編には海で遊ぶ仲良し3人組の姿がありましたね。

と、いうことは、来週は宮嶋麻衣の水着姿が・・・・・・


2013-10-25

ごちりとうさん (番外編)

まさか10日以上続くとは自分も思っていませんでしたし、誰にも期待されずに始めてしまったブログですが、ひとえに「ちりとてちん」の愛のなせる業であろうと、ただ感謝するのみです。

もちろん現在進行である「ごちそうさん」も、今のところ出来栄えのよい朝ドラであることは確かです。それをさし置いても再放送枠のちりとてちんは私にとって特別な作品です。

ことの発端は「岩戸山ほぼ2畳大学」という企画の1コーナーとして朝ドラについて喋らせていただく、という機会がありました。そこで「朝ドラリツイート」といって過去に自分が見た朝ドラ作品たちを全て140字で説明する、というのをやったらことのほか受けました。その時に「意外にみんな朝ドラを見てないんだ」という世間の常識をようやく理解したのです。

また、とあるところで「好きな朝ドラアンケート」をみたら、「あまちゃん」を抑えて1位だったのが「ちりとてちん」でした。みんな意外にちりとてちんが好きなんだということもわかりました。

文章が上手いわけではないし、世間との交渉をあまり好まない私ですが、朝ドラについて書くことが社会との接点になるのなら、自分も発言してみようと思ったのがこのブログのきっかけです。

願わくば、一人でも多くの人に朝ドラの魅力を届けられたらと思います。でもそれを通じて私がやりたいことは、なぜ数ある朝ドラの中で「ちりとてちん」はかくも別格であるのか、それを他の人に分かるように説明できるために、その言葉を探して半年間、自分の考えを書くことで掘り下げてみよう、ということでもあるのでした。

宮嶋舞衣さんの魅力については私が語るに及びませんので、ここでは省略させていただきます。


ごちりとうさん (10)

あわれの田中が出てきました。

田中の所属する「掛け取りローン」から分かるように、借金取りを撃退する演目「掛け取り」を題材にしたエピソードでした。

草若さんがニヤニヤして見ているのは、いろいろ抱えて、一生懸命やってるけど、うまくいかない、落語の登場人物のようなビーコを楽しんでいるのでしょう。

鼻つまみ者の草若邸、弟子、向かいの居酒屋の連中や借金取り、小浜からきた親子、疎まれてるはずなのにこの場所に人が集まって、まるでそこが寄席のようになっている、それが草若の家の原型なのです。

最後の最後「大草若の小さな家」のエピソードにて、私が3回見て3回泣いたシーンの、これがはじまりでもあるのです。

ごちそうさんは、ラブコメ大爆発寸前で口のはさみようがありません。明日みんなで顔を真っ赤にして
「でたwwwwwwww」とか言って楽しみましょう。

民ちゃんかわえー




2013-10-24

ごちりとうさん (9)

完全にラブコメ、または、完全に落語のような世界、ということに尽きる本日のエピソードでございました。それで尽きてしまってはなんですので、ちょっと前の話でも。

先週土曜日のちりとてちんには「あまちゃん」の中で登場する「あるシーン」と共通するシーンがあったのはお気づきでしたでしょうか。

鉄道に乗って旅立つヒロインに向かって大漁旗で応援する、というシーンです。

このシーンをよくよく見ると両作品の性格の差が見えてきました。

あまちゃんでは、夏ばっばが海岸で大漁旗を振って応援します。大変、絵になるシーンです。しかしこのシーン以前にアイテムとして大漁旗は登場していません。画面上のどこかには映っていたのかもしれませんが、登場人物の夏ばっばと重要アイテムの大漁旗が具体的に結び付けられている演出は無かったように思います。夫が漁師で海女なんだから大漁旗ぐらい持ってるでしょ、という前提で描かれています。

映像としてはあまちゃんのほうが優れていたと感じます。ですが同時にあまちゃんは「映像表現に頼った作り」になっているとも言えます。

一方で、ちりとてちんはどうか。まず前日までに「ふるさと」の歌と大漁旗を話に登場させておき、その後旅立ちのシーンで「ふるさと」の熱唱という伏線回収を行いながら大漁旗を振って、二つを合流させて涙を誘うシーンを組み上げています。
つまり目と耳のダブルパンチで視聴者に訴えてくるのです。

細やかさ、丁寧さにおいてはちりとてちんが一枚上だったと思います。もちろんあまちゃんのほうはテンポがよく、変に説明臭くならないという良さもあったと思います。

朝ドラは長い戦いです。緩急も重要です。あまちゃんのようなロケットスタートから走り続ける展開は異色で、細やかな気配りが安定したドラマを組み立てているのも朝ドラならではであり、ここが「ちりとて」が朝ドラ最強に君臨する要因でもあるのです。

それにしても、和久井映見演ずるお母ちゃん、嗅覚が鋭すぎますね。
宮嶋麻衣ちゃんが「ちりとてちん」のあと「カーネーション」「純と愛」そして今回の「ごちそうさん」と、朝ドラに何度も登場するぐらい可愛く魅力的な女優さんになっていくということをとっくに嗅ぎつけていた私の嗅覚と同じぐらい鋭いです。

2013-10-23

ごちりとうさん (8)

場人物が増加してくる時期に入ってきておりますが、ちょっと整理しておきましょう。

朝ドラでは登場人物パターンがだいたい決まっています。
ヒロインとその親、兄弟。近所の家族。故郷から本舞台へ移動した先で知り合う家族、彼氏または夫、仕事の同僚など、まあ、基本的には「家族」というのが基本単位になっています。

そしてこれら多種多様な登場人物をまとめる装置として、「クロッシングポイント」があります。

「あまちゃん」でいえば「喫茶リアス」、「ちりとてちん」で言えば「寝床」など、人や情報が行き交う「クロッシングポイント」の存在です。人々がここに集い、うわさ話などをして、ドラマのなかの色々な筋が束ねられていったりするわけです。

ごちそうさんでは、西門さんの幼なじみの亜貴子さん、電停での会話からするとフィアンセかそれに該当するようなお相手がいることが示唆されていました。それがめ以子に伝わらないのは西門さんの「にぶさ」であったり「周りくどい」せいだったりします。

通常こういう重要な情報は、直接伝えられることは少なく、上記の「クロッシングポイント」を経由してジリジリと広まっていき、最終的にはどこかのタイミング、どこかの場所でパーンとつながる、そういう「緊張と緩和」の繰り返しによって進んでいきます。ちなみにこの「緊張と緩和」というのは落語家・桂枝雀の提唱した理論です。

ちなみに寝床によくいる磯七(松尾貴史)は散髪屋ですが、落語の話の中の世界、たとえば「崇徳院」という演目では、床屋が人々が噂をしたり人と出会ったりするクロッシングポイントになっていることがあり、そういうこともあって職業が散髪屋になっている、という落語ちょっとしたネタみたいなのも盛り込まれてますね。

視聴者にとってみれば結果はある程度よめている、だから考えや思いのすれ違いが発生している状態がジリジリしてイライラしてくる、それを程よいタイミングでパーンとできるかどうかが、朝ドラのリズム、テンポの良し悪しにつながってきます。

宮嶋麻衣ちゃんの顔を毎日毎日眺めてジリジリしていけば、ちりとてちんで「伝説の長回し」と言われたエピソードでパーンとなって、惚れてしまうこと請け合いでしょう。


2013-10-22

ごちりとうさん (7)

レーションを誰が行うかも、朝ドラの雰囲気を決める重要な要素ですね。ちりとてちんでは、喜代美が大人になってから自分のことを振り返って語っている、という設定になっています。

以前「風のハルカ」では、由布院にある由布岳がナレーションという、非生物がナレーションを行うという事例が見られました。

なお、ごちそうさんでは亡くなったおばあちゃんが「ぬか床の精」に姿を変えてヒロインを見守りますが、クレジットではしっかり「ぬか床 吉行和子」と記載されています。
ちりとてちんの上沼恵美子は、落語家になった喜代美の将来という設定ですので、語り口が落語の前口上のような感じになっています。

関西製作だからかどうかは知りませんが、ごちそうさんとちりとてちんは共にナレーションがヒロインにツッコミを入れることがしばしばありますね。
ぬか床は「ええ?いいのかい?め以子」と絡んだり、上沼恵美子は「だから、それを止めいっちゅうのに!」と過去の自分のもどかしさにチャチャを入れたりします。

ごちそうさんのぬか床さんは、視聴者にというよりは、め以子に向かって話しかけることも多いですね。

ストーリーのほうはというと「偶然?必然?」というごちそうさんのオープニングの歌詞のとおり「美人は何をしても得をする」というエピソードが両作品においてオーバーラップしていますね。エーコは邪気はないのに喜代美を落ち込ませるし、大阪から来た亜貴子さんはめ以子を困惑させています。

ちりとてちんも、ごちそうさんも、大阪の方言でしゃべる人がいろいろ登場しますが、今日はとうとう草若師匠が登場しました。ごちそうさんの西門さんや亜貴子さんも関西弁でしゃべりますが、それらについては基本的にこのレビューでは文句はいいません。別にどんな大阪・関西弁であっても、今のところ池脇千鶴と尾野真千子がずば抜けていることは間違いのない事実ですので、比較してもしょうがありません。渡瀬恒彦の噺言葉が微妙であってもそこはいいのです。宮嶋麻衣さんの関西弁も可愛いからそれでいいのです。


2013-10-21

ごちりとうさん (6)

統の「月曜日は振り返り」「月曜日に新キャラクター登場」「月曜日になったら土曜日に順調だった流れが不穏になる」で、せっかち視聴者をイライラさせてくれる素晴らしい展開ですねおはようございます。

いや、だから先週指摘したんですが、あまちゃんのような月曜日の展開が特殊なんです。本来はこれでいいのです。「しおりの人」をご丁寧に回想シーン挿入で説明してくれる入念な仕込みが料理の美味しさを引き立てます。くどいとも言うのですが。そしてどう考えても恋が上手くいかないフラグを立てています。節操がありません。いいですね。

ちりとてちんのほうは、喜代美が大阪にやってきました。まだ工事中だったころの桜橋口改札が映ってますね、懐かしいですね、ギャレ大阪とかありましたね。ホームレスがいたところは大阪第3ビルの横あたりの宝くじ売り場のあたりとかですかね、まあそういう聖地についてはもっと詳しい識者に委ねるとしましょう。

さて、測ったように両方の作品において
「ヒロインが、自分が変わっていく感じに高揚する」
「身近な人に自分の知らない世界があることを目の当たりにして疎外感を感じる」
という展開が起こっています。わざとでしょうか、まさかそこまでの計算はないと思いますが、しかし成長のためには超えなければならない壁が登場する、それが用意されたかのように出てくる都合の良さも朝ドラの彩りでございます。

さて、「あまちゃんでは1カ月ぐらい怒涛の序盤の展開で息をもつかせないジェットコースター感覚だったのに、なにこのタルさ、もう見るのいや、以前のあまちゃんが懐かしい!」という視聴者も出てきたころではないでしょうか。

そんなあなたに、朝ドラOB・OGが出演している「ハードナッツ!」をご紹介しておきましょう。
橋本愛が出演しておりますが、キャラクターが「ブラックユイちゃん」と「アキ」を足したような感じに仕上がっております。想定範囲のルートを歩んでおられますね。一方で。高良健吾さん、「おひさま」の時の爽やかな旦那さん役の面影はもう全くありません。影のあるハンサムとして安定した位置を占めておられるようです。こういうルートということはあまり私も想定していませんでした。

朝ドラを卒業していった役者さんのその後もいろいろ楽しみながら、このタルさを楽しんで行きたいですね。宮嶋麻衣ちゃんはすでに「ちりとてちん」の時点で可愛らしさが確定していましたので私にとっては全て想定の範囲内です。


2013-10-19

ごちりとうさん (5)

曜日っていうと学校が午前中で終わって、家に帰ってから昼ごはんを食べるというのが非日常感を高めてくれて楽しかったという思い出がある世代ですおはようございます。

朝ドラは土曜日も15分ありますが、逆に長く感じるときもままあります。次の日曜日がお休みなので、月曜日まで余韻を引くような終わり方、その週までのちょっとしたまとめをする終わり方、大きな出来事、重要な出来事が起こる(ありがちなのは和解とか仲直り)、いわば「中入」ですので他の人はちょっと違った演出になっていたりします。

土曜日を見逃すと月曜日に見ると、
「あれ?おまえら仲悪くなかったっけ?」
というびっくり(・o・)状態になることがあるので、注意が必要ですね。

前期の「あまちゃん」では少し変わった土曜日の使い方でした。というよりも、月曜日のしょっぱなを、これまで従来の朝ドラでいうところの土曜日的な内容を扱っていました。

どういうことかというと、月曜日に大きな出来事をもってきて、それによって物語がどのように動くのかを1週間かけて見せていく、という手法を取っていました。これは画期的なことです。

割とめでたしめでたしチャンチャン、で終わらせるエピソードが朝ドラに多いのですが、チャンチャンの後、ヒロインを始め人々がそれによってどのような影響をうけたのか、というところを描いています。これは舞台演劇のように、舞台にいる役者全員がカメラが向いていない人も含めて常に何かをしている、それを観客はそれぞれの視点で見ている、という文化で培われたものではないかと勝手に推測しています。

ごちそうさんは、カメラを常に一点に向けていますし、ちりとてちんも基本的には絵的にはそれほど重層的ではありませんが、カメラ外でいろんなエピソードが待ち構えていて、すごいタイミングでそれが画面をずばっと横切っていくような心地よさがあります。

あまちゃんと比べると、ちりとてちんは前時代的な部分もあります。そうですねえ、カーボンフレームのロードレーサーに比べて、クロモリ素材のロードレーサー、という感じでしょうか。加速力や軽快さにおいては圧倒的に新しい素材のほうが優れています。

ごちそうさんは、ちりとてちんのような前時代的朝ドラの系譜をたどっています。けれど新しい要素も取り入れています。オープニングよりも前に1〜2分ほどドラマが入ってからテーマソングが流れだす、というのも最近使われはじめた手法です。着実に進化はしているのです。

古い、ありきたりだ、という批評は朝ドラの中ではあまりピントを得ていないような気がします。そう言っていればだいたい批評としては正しいからです。でもそれでは何も言っていないのと同じです。

素材が変わってデザインも先進的になったとしても、三角形を2つ組み合わせた形の自転車フレームの基本的設計はずっと変わっていません。朝ドラとはそのような、素材や時代が変わっていっても普遍的価値を持つ構造にこそその本来の力と魅力があるのではないでしょうか。

ちりとてちんの子役を演じた桑島真里乃さんはいま15歳ぐらいになっていますが、最近の写真をみて「喜代美や」と驚きました。こんなに大きくなってたんですね。朝ドラは1作品だけで完結しません。朝ドラ役者がその後大河ドラマに出演したり、朝ドラの脚本家が大河ドラマの脚本を書いたりと、「その後どうなったか」というところまで見ていくと、朝ドラは無限の楽しさを秘めています。

ちりとてちんで順子を演じた宮嶋麻衣さんは、ますますお綺麗になってごちそうさんで民子を演じておられます。

2013-10-18

ごちりとうさん (4)

のごとをストレートに言っていたらドラマにはなりませんので、周りくどいこと言うなあというシーンが出てきたらそれには裏腹な気持ちが隠されています。

頭の固いコンクリート教授も、事実は事実として言葉にするし、論理的なことには耳を貸す、感性として受け止めるところは受け止めている、周りくどい言い方をする人だけれど物語の重要な部分をさらっと語る存在として登場しました。月曜日に登場した新キャラが急に何かを果たして土曜日には退場するというのも朝ドラの様式美なので、この先こういうご都合キャラが出てきても文句を言ってはいけません。しかしコンクリート教授は登場人物一覧に出ているので、続投してくれる可能性は高いですね。なんとなく近代建築や都市計画と、料理の話とをからめてくるんじゃないかという予感を漂わせるエピソードでもありました。

ちりとてちんでは、いろんな人が喜代美の背中を押しています。自分はどうしたらいいのか、そんなとき回りの人は色々な示唆をくれます。め以子のほうは自分には取り立ててやりたいことはないけれど、「やりたいことはない」ということが一つの覚悟となって、徹底的に料理を作ることを発見しました。「やりたいことはない」という事ですら、一つのキッカケでもあるのですね。めんどくさい気づき方ですね。かっこいい仕事現場をみて憧れて「私もこれになる!」というのはストレートですが、それではあまりドラマが盛り上がりませんしね。

人間誰しも「どうしたらいいんだろう」となって、悔やんだりします。喜代美のお父さんも塗り箸修行をやめていた10年間を悔やみますが、おばあちゃんが「それは遠回りではない」と諭します。時に優しさ故にキツイ言い方になることもあるでしょう。「学園祭をやりなおしたい」とめげている喜代美に「無理や」と言い放つ順ちゃん(宮嶋麻衣)は今日一番の周りくどい応援をしていて輝いていて可愛かったですね。


2013-10-16

ごちりとうさん (3)

序盤の子役は必要かという議論があり、まあ作品によって有り無しでしょう、という無難な答えをしておきます。

「ごちそうさん」と「ちりとてちん」はどちらも幼少時におじいちゃん、またはおばあちゃんが亡くなって、それをきっかけにして時間がすすみ学生になっているところから本ヒロイン登場という形式をとっています。この形式は多くの朝ドラ作品に登場します。むしろそればっかりという意見もあるくらいです。

かつてはヒロインが女優への登竜門と言われた時期もありますが、子役もそれはそれで大事なポストなのかもしりませんが大人の事情にはあまり詳しくありません。

今は両方の作品とも、仲間が集まりつつあるロールプレイングゲームの序盤のような段階で、ドラマも必然的に主人公の性格形成に時間が費やされることになります。

一言で行ってしまえば、め以子は食べること以外に鈍感な子、喜代美はヘタレ、そう言ってしまえばそこまでですが、何故そういう状況になっているのかということに、子役時代の出来事が錨となっていろんな他人からの波を被りながら、自分の立ち位置を確認していきます。

いずれにしても、ひそかに重要な伏線が張り始められている時期ですので慎重に見ましょう。

立ち位置といえば、エーコがセンターにいるから和装の可愛い宮嶋麻衣ちゃんがじっくり見られないじゃないですか、ほんとにエーコは邪魔ばっかりしますね。

ごちりとうさん (2)

ドラには型があって、もっとも代表的なものは「15分で1話」という形式ですね。この長さをどう感じるかが面白さの尺度にもなります。「え、もう終わり?」と感じるときもあれば、「もうええから、次の話いけよ」と感じるときもあるでしょう。朝ドラには左上隅に時計が表示されていますから、話の進みとタイムを照らし合わせながら見るのも一つの方法です。まあ、他人の恋話というのは「話長いなあ、おい」と感じるのが常ではないでしょうか。

昨日言ったばかりですが、既に悠太郎さんの上半身裸で素振りシーンは登場していましたね。パリコレモデルだそうですので、ムキムキというよりはかっちり収まったお体をされているようです、イイナー

さて一方、「ちりとてちん」のほうは、小次郎おじちゃんに恋が芽生えたようです。朝ドラのもう一つ「型」をいうと、「思い込みをした人物が勝手に暴走してどんがらがっしゃーん」というお決まりがあります。め以子は相手が自分を好きだろうと勝手に思い込み、喜代美はエーコは自分の邪魔ばっかりすると思い込み、視聴者をやきもきさせています。傍目八目といいまして、見てるものには「なにやってんねん」と思えるようなことでも当人たちには真剣で一生懸命です。

「一生懸命に生きるアホはおもろい」これは「ちりとてちん」の主題を表す一つのセリフです。後々出てきます。それを言うのは我らが宮嶋麻衣ちゃんです。




2013-10-15

ごちりとうさん (1)

題の「あまちゃん」が終了して、身の回りの人たちは次々と帰り支度をして朝ドラから退場していきつつある。

日常の風景に戻るだけなので、また、分かっていた事なので特にさびしさは無いのだが、それでも話題に登っている間の高揚感は良いもんだったなと思いだしてしまう。

しかしまだ、朝ドラの道は途絶えない。来る人あり、行く人あり、毎朝の楽しさと面白さを日々紡いでくれる朝ドラは続いていく。

さて、今シーズンは本放送「ごちそうさん」と、BSプレミアム朝の再放送枠が「ちりとてちん」となっています。ちりとてちんは今でも大変人気の高い作品で、再放送が待望されていたがまさかこんなに早く再放送されるとは思わなかったので喜ばしい。感謝ついでに「風のハルカ」の早期再放送もお願いしたい次第でございます。

で、せっかくなので、この2つの作品を見比べながらレビューしていくことにします。ただし私が脱落したらそこが最終回です。まあ、ちりとてちんを脱落することは10000%ありえないので、ごちそうさん次第ということになるでしょうか。

早速ですが、悠太郎さん役の東出さんが「同年度の上半期下半期連続出演」ですね。「あまちゃん」では若き日の大吉を演じた彼は、本日の剣道のシーンでは三段の腕前を披露してくれました。さて、いつ上半身裸のサービスシーンが出るのか、ファンは見逃せないところではないでしょうか。

そして個人的には、「ちりとてちん」と「ごちそうさん」1日2ステージで朝ドラ登場の宮嶋麻衣さんの今後の活躍から目が離せません。