何が面白そうかと考えてみた。
落人たちが住んでいた、ということはその場所は峠を越え、山間の盆地で、外の世界とは隔離されがちな地形にありそうです。追手に見つかってはいけませんからね、なるべく見つかりにくいところがいいはずです。こういう場所には「隠れ家」「秘境」という価値が付きます。
その一方で、やはり栄華を極めてしまった一族だから、どこでもいいわけではなく(このあたりが「驕れる平家」っぽいと推察)あまり下手なところには居を構えないだろう、と思われます。そこで「人里離れてるけれど、いい感じの風情もあって、落ち着けるところ」を、散り散りになった平家たちが求めて全国に散って行ったのではないでしょうか。
ましてそこに温泉がでていれば、相当に素晴らしい秘湯です。
まとめると、人里はなれてゆっくりできて、それなりに風雅な場所でもあり、もう、そこで人生を終わりまで過ごしても悔いはなさそうな、小さな自分たちだけの国、そういう場所を求めて多くの平家が日本中に飛び散って行ったということになります。秘境駐在員みたいなものです。
そうして、各地にできた「平家の落人の里」を情報化しまとめ上げることで、落人の里クラスターマップが出来上がります。なんというか、ここから何か生みだされるというわけでもない、行き詰まったけど、なんとか「あはれ」に生きていきたい、そんな場所のカタログです。これは結構面白いと思われます。