トルコの温泉に入りたい。
そしてケバブが食べたい。
ソースとヨーグルトをかけてドンブリみたいにして食べる「イスケンデル・ケバブ」というメニューの発祥の地で、トルコの温泉保養地としても有名な、ブルサの街があるというので、行ってみた。
イスタンブールのホテルでネットを駆使して、収集した情報をもとに行く事にした。ブルサはイスタンブールがあるヨーロッパ側から、フェリーでアジア側に渡ってさらに内陸へ行った所。はたしてたどり着けるのか不安だったが、思ったより簡単に目的地に到着。
トルコでは長距離バスが発達していて、バスターミナルはまるで空港の待ち合い所のように広くて整備されている。移動に関しては言葉がわからなくても比較的苦労はしなかった。
イスタンブールの港からフェリーで港町・ヤロワに渡り、そこからバスに乗り、ブルサに到着。タクシーを拾ってイェニ・カプルージャというハマムに行く。
大阪新世界にある「スパワールド」を始めとして、全国各地にもあるだろう「スーパー銭湯」をご存知なら想像してもらえるといいのだが、入場券を買って入ると、あとは中にあるいろいろなサービスが受けられる。ロッカールームもあり、場内を動き回るための日本の浴衣みたいな纏いものもある。床屋やマッサージもあった。
イスタンブールにもハマムはあったのだけれど、そっちは観光客向けという感じ。ブルサのハマムは、素朴ながらも気の行き届いた感じがしてとても居心地がよかった。温泉は足がつかないぐらい深く、円形をしていて、その周りが洗い場になっている。見上げるとドーム型の屋根に月の形をした(イスラムだ)明かり取り窓も見える。
きやすく話かけてくれたおっちゃんには「おまえ、カザフスタンから来たのか?」と妙な限定をされた質問をされ「ジャパン」と応えたがあまり要領を得ていなかった。そんな国があるのか、みたいな反応だった。
風呂でさっぱりしたあとは、お待ちかね、イスケンデルケバブの発祥の地、イスケンデルでケバブを食べた。しかし店の名前が国際的な名称になるとはおもしろいな。「広島焼」どころか「みっちゃん焼き」ぐらいローカルな名称が流布するとはおもしろい。
こっちは新店舗で、大きい。元祖本店は別の場所にちんまりとあって、行列してたりする。
ブルサからイスタンブールに帰るのが実は大変だった。
ちょうど断食(ラマザン)が明けた、日本で言えば正月三が日みたいな時期だったので、地方からイスタンブールへ向かうUターンラッシュのまっただなか。帰りのバスの席があるかないか、ぎりぎりみたいなところだった。チケットの列にならんでいるとなんだか親切なトルコ人たちがチケットカウンター購入を横からサポートしてくれたり、乗車するバスの位置を教えてくれて「急げよ!気をつけてな!」みたいな感じで見送ってくれた。ありがとう、トルコの人たち。
フェリー乗り場に付くと、次の船は3時間後とか。雨の船着き場の食堂やカフェは人でごった返していた。チャイとコーラを何杯も飲んでイスタンブールへの出航を待った。なんとなく頭には「津軽海峡・冬景色」の音色がかすめていた。